高年齢労働者にとっての安心

4月になり新型コロナの先がまだ見えない中、入社式は行うものの入社後はテレワークになるところも多いようです。年々新入社員の採用数も減少している企業も増えてきています。これからは、若い人とともに、高年齢労働者をいかに安全に安心して働ける環境を整えていくかは大切になってきます。実際、日本の人口推移は65歳以上の比率がどんどん高くなっている中、「65歳以上でも働きたい」と希望する方は、50.4%と高い状況です。(平成25年内閣府「高齢期に向けた備えに関する意識調査より」)人生100年時代ですし、若い人口が減っている中、高年齢労働者の就業意欲があることは大変ありがたいことです。

反面、休業4日以上の死傷病災害の半数以上は50歳以上で発生、さらに60歳以上の割合は全体の4分の1を占めています。(「労働者死傷病報告」より)。

最近は、65歳まで働ける環境になってきていますが、雇用契約が60歳以降で1年ごとになるケースも多く、人事担当者から健康状況についてご相談されることが多くなっています。高年齢労働者にとっては、意欲はあっても体力や適応力等心配な面は感じているだけに、雇用が継続されるかは不安な所ではあります。若い方より個別差は大きいので、雇う側も雇われる側も安心するためにも、契約時は勿論ですが、お互いの気になっている点、不安に思っている点等はきちんとすり合わせしておくこと、正しい情報(事実)が言えたり、企業側に入るような関係にしておくことは日頃から大切です。また、雇用継続に必要な条件や能力等を分かりやすく明示することも必要だと思います。

医療職としては、加齢による心身の変化や予防法等の情報提供をしたり、その方にあった方法を一緒に考え行動に移して頂きます。そして、よい習慣の継続をサポートさせて頂きなるべく長く働いていただきたいと願っています、それぞれの仕事内容によって必要な能力は違いますが、今後どのような取り組みを行う必要があるのか、人事だけでなく例えば安全衛生委員会でも話題にしていくことは大切だと思います。