介護は突然やってきます。私も主人も自分の親を同時に介護をしなければなりませんでした。介護と言えば女性がするものというイメージが強かったのですが、今では男性も当たり前です。ましてや働き盛りは大変ですし、事前に準備をしている人は少数でしょう。
最近企業でのご相談もかなり介護の問題は多くなってきています。一見、介護はプライベートな問題、仕事へ持ち込むのはと考えるかもしれませんが、従業員の方とお会いすると介護を抱えている方は睡眠不足やこれからの不安等で心の体もかなり疲弊されています。その状態では、思ったように仕事は進められなくて当然だと思います。
声掛けとして「本当に仕事をしながらよく頑張られていますよ。でも、決して一人だけで抱えないでください。それとまずはあなたの生活を第一優先に考えて進めていきましょう」とお話することは多いです。働く方の介護離職が多い現状もあります。でも、親の介護後の生活もあるのです。我々はつい120%介護しようと思ってしまいます。でも状況に応じて、活用できるサービスを使いながら、できる範囲でしていかれることが大切です。そのことは決して介護をしないのではありません。だって、120%なんて毎日続きません。ほとんどの方は「それでいいのでしょうか・・」と言いながらもと少し安心されます。
一方、仕事面でも、介護で早退や遅刻等をせざる負えない状況が続くと、会社への気兼ねもあり、普段なら上手にやり取りできているものもちょっとした事が気になって悪循環になってしまう人もあるようです。難しいのが自分の気持ちのコントロールです。意外と相談できる先がない時、どんなことでも口に出して整理できる先があるとほっとするものです。
介護の問題はだれでも直面します。企業として、大事な労働力をしっかり守っていくためにも介護と仕事の両立を受け入れていけるような職場環境を作っていくのも大事ですし、介護の心構えや使えるサービス等を紹介する教育も大切です。