ラジオ体操

 夏休みと言えば、朝はラジオ体操で・・という記憶があります。最近はその光景はあまり目にしなくなりましたが、ラジオ体操の音楽が流れると自然に体が覚えていて動いてしまいますね。1928年から開始されていて、歴史も長いですが、短い時間の中にたくさんの種類の動きが入っているすぐれた運動です。皆さんは、最近されていますか?            

 私がサポートさせて頂いている企業では、昼休みに任意参加でしている所もあります。実際、建設業で朝礼にラジオ体操をして、腰痛や転倒災害の発生率が他の業種に比べて3分の1という結果もあるようです。

 その他、ラジオ体操にはストレッチ要素がたくさん含まれていて、筋肉の疲労回復や柔軟性を高めケガをしにくい体を作ります。また、セロトニンの分泌が促されて、質のよい睡眠につながったり、気分改善にも効果が期待されます。

 ラジオ体操を5分行うと20kcal消費して、660歩歩いた場合に相当します。ストレッチ10分や植物の水やり10分で26kcal消費ですから、結構効率もいいです。何となくするのではなく、指先までしっかり伸ばしたり、呼吸しながら行ったり、動かしている筋肉に意識を向けて行うことも大切です。時間帯はいつ行っても効果は期待できます。

 全身の筋肉を無理なく、まんべんなく動かせる万能な運動であるラジオ体操を是非取り入れてみましょう。

ご機嫌に老いるために

 『102歳、一人暮らしと』いう本に出会いました。ご存じの方もいるかもしれません。歳を重ねることは決してマイナスではなく、できなくなってくることにもしっかり向き合い、サポートもお願いしながら上手に手放していくこととありました。102歳で一人暮らしをしていく事は相当の覚悟がいると思いますが、悲壮感はなく、一生懸命に生きる姿勢にこころがほっこりしてたくさんの元気をもらいました。

 どの世代にも自分らしく楽しく生きていくためのヒントと思われる哲代おばあちゃん流の生き方上手になる5つの心得をご紹介します。

1.物事は表裏一体、良いほうに考える。「手の甲はしわしわですが、ひっくり返せばつるつるでしょう」と。

2.喜びの表現は大きく。「ありがとう」は、オーバーリアクションで。

3.人をよく見て知ろうとする。「元気ないなとか、少し痩せちゃったかねとか、相手のちょっとした変化に気づくことは大事なことじゃと思います」と。

4.マイナス感情 笑いに変換。「落ち込みそうになったら、早めに自分を助けてあげんといけんのです」と。

5.手本になる先輩を見つける。「まねしながら、体に染み込ませていけたらもうけものです」と。

 最近では、アンチエイジングのために食事や運動、睡眠や環境のコントロールをしていくという考えと共に、老化の治療も話題になり、実際に「若返り」も可能になっているとの研究発表も出てきていますが、実際に元気に102歳を迎えている方の生き方は何よりも参考になると思います。ご機嫌に老いることを皆さんなりに目指していけるといいですね。

梅雨の過ごし方

 梅雨の時期は湿度が高くなるため、体の中の余分な水分が排出されにくくなり、体の不調を感じやすくなります。体が重い、だるい、疲れが取れない、むくみやすい、食欲が出ない、胃がもたれる、気分が乗らない、落ち込みやすい等の症状はありませんか。

 まずは、出来るだけ湿気を取り除く対応が必要です。梅雨の晴れ間にはしっかり室内の空気の入れ替えをしたり、洗濯物や布団、くつや傘などはよく乾燥させましょう。

 激しくなくてよいので、ウォーキングやストレッチで体内の湿気を追い出してあげましょう。湯船につかり半身浴等で汗をかくのもいいです。

 胃は冷えに弱いので、体を冷やさないように、冷たい物の食べすぎや飲み過ぎには注意しましょう。水分は大事ですので喉が渇いた時や、就寝前後等は必ず補給してほしいですが、梅雨の時期だけは取りすぎないようにしましょう。また、食事前や食事中の水分は消化液を薄めて胃に負担がかかってしまいます。水分は一気に飲むのではなく、こまめに飲む事もポイントです。

 梅雨の時期にお勧めの食材は、胃を元気にするアスパラやキャベツ、じゃがいも、胃を温めるショウガや玉ねぎ、ニラ、ニンニク、湿気を取り除くアサリやきゅうり、トウモロコシ、もやし、梅雨のイライラ解消には、らっきょ、みょうが、パセリやシソもいいですね。もやしは、ラップして2~3分電子レンジでチンしてゴマや酢、ゴマ油に醤油で和えると手軽にできて美味しいです。

 うっとうしいこれからの季節を上手にお過ごしください。

オンライン面談

 コロナ禍で面談もオンラインが進み、昨年からは本格的にオンラインでの面談を行うようになりました。なんと言ってもコロナ禍ではマスクを外して面談できたのは表情がわかりとても良かったと思っています。 最近は色々な所でオンライン実施上の留意点等もまとめられるようになりました。

 私の周りは、工場等以外は、オンラインは業務でも平行して行われています。皆さんの職場ではどのような環境でしょうか。

 若い方は初めからほとんど抵抗なく、むしろ話しやすいようでしたが、年齢が高い方は初めは落ち着かない様子も見られました。オンラインの場合、対面と違い情報量や相手から伝わってくるものも限られてきますので、リアル以上に色々なアンテナを張り巡らせたり、伝える言葉やボディーランゲージ等にもかなり気を使います。ネット環境やマイク等の状況にも気を付けますし、万が一のためにパソコンの予備をスタンバイさせておいたり、プライバシーが守られている環境を整えたり、そのことを毎回丁寧に伝え確認したり、始まる前の準備も念入りに行います。

 今の所、大きなトラブルは起こっていません。初めは戸惑いがちな年齢の高い従業員も今では抵抗なく面談で話しをしてくださいます。

 オンラインでのメリットは、場所や時間の融通が利くのは大きいですし、健診結果や資料も共有して見ながら確認や健康教育ができるのもいいと思っています。

 今後オンラインは増えていくと思っていますし、もっとやっていこうと思います。

今年の新入社員タイプ

4月は年度初めで色々なことが新たにスタートしたり、新入社員が入社して職場の環境も変わっていると思います。

毎年この時期になると人事担当者は新人教育、現場は育成でさらに忙しい毎日を送っていらっしゃると思います。

今年の新入社員のタイプは、「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」と発表されました。新型コロナが猛威の中、大学生活のほとんどをオンラインカリキュラムで過ごした新入社員。

オンラインに関しては自然に盛り込まれて、対面ではコミュニケーション不足によるストレスを感じやすいと。一方わからないことは自然に検索で調べ、さまざまなツールを扱い答えを導き出すことには、高いスキルを持っているとありました。既に現場に新人がいる方、研修を終えて数か月後に配属になる方、皆様の職場の新人はこのタイプでしょうか。

 コロナ流行のあたりから、新人の対面でのコミュニケーションが上手くいかないというご相談は結構ありました。マスクで顔のほとんどが覆われている中、ボディーランゲージがわかりにくい状況ではとても難しいと思います。

「困ったことはないか?」「眠れているか?」「食べれているか?」の声かけは、コミュニケーションの上では意外に重要です。

健康診断

 気温が高くなり花粉症も気になりますが、春は健康診断を実施されるところも多いと思います。皆様は毎年必ず受診されていますか。

 厚労省の調査によると、平成24年と比べ、令和3年の定期健康診断を実施した事業所割合は91.9%⇒91.4%とほぼ変わらない状況でしたが、所見のあった労働者がいる事業所の割合は、41.7%⇒66.1%と増加していました。

 このうち、所見のあった労働者に講じた措置内容では、「再検査・精密検査の指示等の保健指導を行った」が74.9%でした。

 定期健康診断は病気の早期発見や早期治療へつなげられるチャンスになるだけでなく、動脈硬化リスクや自分の生活習慣などを振り返る大事な機会になります。また、生活習慣改善を試みている人にとっては、成果を確認できる一つにもなります。いずれにしても企業と個人が健康管理を行っていく上で、基本のデータになります。

 医療職としては、血圧が高い方は特に心配になりますが、ほぼ皆さん「何も症状ないし、太く短くの人生でいいので」と言われます。症状が出たらすでに遅い!のですが、なかなか理解して頂くのは難しい面もあります。まずは医療機関につなげることは重要になりますが、つながった後も薬の副作用や仕事の状況等で自己中断されるケースもあります。産業医や医療職が継続的に関わっていく必要がありますが、企業並びに上司の方もまずは健康診断を必ず受けるように声掛けや業務調整等の適切な管理が重要になります。

 長く元気に働ける体を自分で作っていくための大事なデータとなる健康診断を必ず受診しましょう。

食物繊維は元気の元

 面談をしている中で自覚症状に「下痢・便秘」をよく目にします。面談でお話を伺うと、人間関係や仕事等でストレスを感じていることが多いように思っています。皆様の腸は元気ですか。  

 また、うつ病患者の食物繊維摂取量は健常者と比較して有意に少なかった、逆に食物繊維の消費量が高いとうつ病のリスクは低いという研究結果が出ていました。

 脳と腸は相互に作用していることはよく言われていて、最近は腸を元気にすると脳(心)も元気になると言われています。「腸活」という言葉もよく耳にしますが、実際“腸を元気にしましょう”の方が、従業員の方にも理解して頂ける気がしています。

 腸を元気にするには、食物繊維は大切です。日本人の食物繊維の摂取量は、2016年には1995年の約3分の2に減っていました。さらに、働き盛りの20代~50代は男女とも目標量を下回っているのが現状です。

 昔に比べて今の食事はやわらかいものが好まれて、歯ごたえのある食物繊維は不足しがちになっています。是非、食物繊維が豊富な食品を積極的に取るように心がけましょう。食物繊維は、穀類、野菜類、果物類、いも類、豆類などに含まれています。特に、野菜や果物由来の食物繊維摂取量が多い群では、抑うつ症状が有意に少ないことがわかった研究結果もありました。

 大豆食品は食物繊維が豊富ですが、手軽さからは納豆等は簡単に取り入れやすいです。また、きのこは食物繊維も豊富ですし、エネルギーは低くビタミンB群も豊富なのでたくさん食べたい方にはお勧めです。寒い時期にはお鍋にたっぷりきのこ類を入れて頂くのもいいですね。

 食物繊維で体もこころも元気にお過ごしください。

 

2023年 産業保健

 2023年がスタートし、様々な所で今年は「変化の年」と言われていますが、私自身も春に事務所を三重県に移転し大きな変化の1年となります。

 コロナをきっかけにオンライン化が進み、産業保健活動も新たな道が開きました。

 研修がオンラインで多くなっただけでなく、保健指導や休職復帰、メンタルヘルス不調者への継続的なサポート等もオンラインで対応することが多くなりました。形は変わっても従業員が、企業が、元気にお仕事を進めて充実した毎日を送って頂くためのサポートは全く変わりません。

 「健康経営」もよく聞かれるようになり、私自身も企業様に関わらせて頂いています。経営者の意識は勿論ですが、それと同じ位、管理職はキーパーソンになると思っています。どこも管理職は忙しい中、わかっていても現実は目の前の業務に追われてしまっています。経営者と現場をつなぐ管理職に、「健康経営」への理解と協力を頂けるような関わりが必要だと思っています。

 一つは、管理職が気軽に相談や考えを整理できる環境を整えることもあると思います。社内でも社外でもいいと思います。管理職にとっては気持ちの切り替えや、俯瞰してご自身を確認できる時間にもなるようです。 

 今関わらせて頂いている企業では、管理職から部下の面談の依頼を受けることが多いですが、管理職自身が「久しぶりに話しに来ました」というケースも結構あります。オンラインであったり電話であったり。「部下の対応で困ってます!」もあれば「最近の自分の興味あること」「家族とのこと」等内容は様々です。私は管理職とのこのやり取りをとても大事にしていますし、日頃から「いつでも使って下さい」と声掛けを意識している所でもあります。彼らが元気に仕事やプライベートを少しでも充実して頂くことは、現場(のメンバー)に直結すると思っているからです。

 今年も従業員とともに、管理職にも継続して関わっていきます。そして、どの企業も健康経営を進めて頂けるように関わっていきます。今年もよろしくお願い申し上げます。

上手なお酒との付き合い方

 今年も残り少なくなってきました。コロナの状況も心配ですが、何かと集まったりお酒を飲む機会も多いシーズンになります。  日本人の男性の高血圧は、かなりの部分は多量飲酒と言われています。ちなみに、50代男性で、飲まない人の高血圧者の割合は、35%、1日日本酒なら1合が適量ですが、1合の方の高血圧者の割合は40%、2合では58%、3合以上では61%でした。

 飲酒は、高血圧以外にも、肝機能障害や眠りが浅くなったり顔がむくんだり、午前中の集中力の低下も起きやすくなります。お酒の席での失言で気まずい空気になってしまった等ということもありますよね。

 もし思い切ってこの機会に禁酒にチャレンジしようかなと思われている方は、禁酒の効果は1週間で表れてきます。まず、よく眠れるようになって、仮に睡眠時間が短くても熟睡しやすいので目覚めがよくなり、午前中の仕事のはかどりが違ってきます!その他、喉が渇く前にお茶や水を積極的にとる、食事の時にはお茶か水を必ず用意しておく、お酒はその日に飲む分だけを買う、お酒の買い置きはない等も成功のポイントになります。

 節酒ならばできそうかなという方には、食事の前に炭酸水や冷たい水を飲むこと、今より小さいサイズを購入する、休肝日の曜日を決めて趣味や運動の時間にあてる、飲み会では水やウーロン茶等を横に置いてアルコールと交互に飲む等もおすすめです。

 是非お好きなお酒は長く美味しく飲めるように上手に工夫をしてみて下さい。

睡眠の最新研究

 先日の面談でいつもは疲れた表情でネガティブワードが多い方が、笑顔で元気な様子に「何かあったの?」と聞くと、「最近残業が少なくなり、帰ってからの時間が充実して、寝る時間も取れてるんです!」と話されていました。  睡眠が取れるようになるとほとんどの方が体調がよくなります。

 睡眠と心身の健康との関係は前から言われていますが、企業のパフォーマンスにも影響することが上場企業を対象にした調査で明らかなようです。睡眠時間や質がよいほど、企業の利益率が高まるそうで、残業時間の調整や適切な人材マネジメントを行っていると睡眠時間が長くなり、睡眠の質にも差ができて働き方に影響があるとありました。また、職場でできることとして例えば、自販機の内容を工夫したり、照明等の環境を整えること等も挙げられていました。

 面談している中で、睡眠の質については、本人もあまり気にしてない方が多い気がします。寝酒やカフェインを飲んでいたり、遅い夕食だったり、遅番の後の自宅での過ごし方等、生活習慣に改善が必要なケースもあります。

 よい睡眠を取るための工夫には、個人が正しい情報を知って、まずは自分の状況を把握して、できることから改善していくための支援も必要です。昼間の眠気や休日の睡眠状況はどうか?等からも自分の適切な睡眠の量の目安もわかります。寝つきが悪くて横になっているのも辛い場合は、我慢せず思い切って起きてしまうことをお伝えすることもあります。軽くストレッチをしたり、深呼吸を何回かするだけでもいいです。色々考えてしまって寝付けない人は、それを無理に打ち消そうとせず、「それくらい自分は気になっているんだね。」と自分を受け入れてみることもおすすめしています。

 ご自身の睡眠とともに、職場でできる睡眠対策も見直してみましょう。