今年の新入社員タイプ

4月は年度初めで色々なことが新たにスタートしたり、新入社員が入社して職場の環境も変わっていると思います。

毎年この時期になると人事担当者は新人教育、現場は育成でさらに忙しい毎日を送っていらっしゃると思います。

今年の新入社員のタイプは、「可能性は∞(無限大) AIチャットボットタイプ」と発表されました。新型コロナが猛威の中、大学生活のほとんどをオンラインカリキュラムで過ごした新入社員。

オンラインに関しては自然に盛り込まれて、対面ではコミュニケーション不足によるストレスを感じやすいと。一方わからないことは自然に検索で調べ、さまざまなツールを扱い答えを導き出すことには、高いスキルを持っているとありました。既に現場に新人がいる方、研修を終えて数か月後に配属になる方、皆様の職場の新人はこのタイプでしょうか。

 コロナ流行のあたりから、新人の対面でのコミュニケーションが上手くいかないというご相談は結構ありました。マスクで顔のほとんどが覆われている中、ボディーランゲージがわかりにくい状況ではとても難しいと思います。

「困ったことはないか?」「眠れているか?」「食べれているか?」の声かけは、コミュニケーションの上では意外に重要です。

健康診断

 気温が高くなり花粉症も気になりますが、春は健康診断を実施されるところも多いと思います。皆様は毎年必ず受診されていますか。

 厚労省の調査によると、平成24年と比べ、令和3年の定期健康診断を実施した事業所割合は91.9%⇒91.4%とほぼ変わらない状況でしたが、所見のあった労働者がいる事業所の割合は、41.7%⇒66.1%と増加していました。

 このうち、所見のあった労働者に講じた措置内容では、「再検査・精密検査の指示等の保健指導を行った」が74.9%でした。

 定期健康診断は病気の早期発見や早期治療へつなげられるチャンスになるだけでなく、動脈硬化リスクや自分の生活習慣などを振り返る大事な機会になります。また、生活習慣改善を試みている人にとっては、成果を確認できる一つにもなります。いずれにしても企業と個人が健康管理を行っていく上で、基本のデータになります。

 医療職としては、血圧が高い方は特に心配になりますが、ほぼ皆さん「何も症状ないし、太く短くの人生でいいので」と言われます。症状が出たらすでに遅い!のですが、なかなか理解して頂くのは難しい面もあります。まずは医療機関につなげることは重要になりますが、つながった後も薬の副作用や仕事の状況等で自己中断されるケースもあります。産業医や医療職が継続的に関わっていく必要がありますが、企業並びに上司の方もまずは健康診断を必ず受けるように声掛けや業務調整等の適切な管理が重要になります。

 長く元気に働ける体を自分で作っていくための大事なデータとなる健康診断を必ず受診しましょう。

食物繊維は元気の元

 面談をしている中で自覚症状に「下痢・便秘」をよく目にします。面談でお話を伺うと、人間関係や仕事等でストレスを感じていることが多いように思っています。皆様の腸は元気ですか。  

 また、うつ病患者の食物繊維摂取量は健常者と比較して有意に少なかった、逆に食物繊維の消費量が高いとうつ病のリスクは低いという研究結果が出ていました。

 脳と腸は相互に作用していることはよく言われていて、最近は腸を元気にすると脳(心)も元気になると言われています。「腸活」という言葉もよく耳にしますが、実際“腸を元気にしましょう”の方が、従業員の方にも理解して頂ける気がしています。

 腸を元気にするには、食物繊維は大切です。日本人の食物繊維の摂取量は、2016年には1995年の約3分の2に減っていました。さらに、働き盛りの20代~50代は男女とも目標量を下回っているのが現状です。

 昔に比べて今の食事はやわらかいものが好まれて、歯ごたえのある食物繊維は不足しがちになっています。是非、食物繊維が豊富な食品を積極的に取るように心がけましょう。食物繊維は、穀類、野菜類、果物類、いも類、豆類などに含まれています。特に、野菜や果物由来の食物繊維摂取量が多い群では、抑うつ症状が有意に少ないことがわかった研究結果もありました。

 大豆食品は食物繊維が豊富ですが、手軽さからは納豆等は簡単に取り入れやすいです。また、きのこは食物繊維も豊富ですし、エネルギーは低くビタミンB群も豊富なのでたくさん食べたい方にはお勧めです。寒い時期にはお鍋にたっぷりきのこ類を入れて頂くのもいいですね。

 食物繊維で体もこころも元気にお過ごしください。

 

2023年 産業保健

 2023年がスタートし、様々な所で今年は「変化の年」と言われていますが、私自身も春に事務所を三重県に移転し大きな変化の1年となります。

 コロナをきっかけにオンライン化が進み、産業保健活動も新たな道が開きました。

 研修がオンラインで多くなっただけでなく、保健指導や休職復帰、メンタルヘルス不調者への継続的なサポート等もオンラインで対応することが多くなりました。形は変わっても従業員が、企業が、元気にお仕事を進めて充実した毎日を送って頂くためのサポートは全く変わりません。

 「健康経営」もよく聞かれるようになり、私自身も企業様に関わらせて頂いています。経営者の意識は勿論ですが、それと同じ位、管理職はキーパーソンになると思っています。どこも管理職は忙しい中、わかっていても現実は目の前の業務に追われてしまっています。経営者と現場をつなぐ管理職に、「健康経営」への理解と協力を頂けるような関わりが必要だと思っています。

 一つは、管理職が気軽に相談や考えを整理できる環境を整えることもあると思います。社内でも社外でもいいと思います。管理職にとっては気持ちの切り替えや、俯瞰してご自身を確認できる時間にもなるようです。 

 今関わらせて頂いている企業では、管理職から部下の面談の依頼を受けることが多いですが、管理職自身が「久しぶりに話しに来ました」というケースも結構あります。オンラインであったり電話であったり。「部下の対応で困ってます!」もあれば「最近の自分の興味あること」「家族とのこと」等内容は様々です。私は管理職とのこのやり取りをとても大事にしていますし、日頃から「いつでも使って下さい」と声掛けを意識している所でもあります。彼らが元気に仕事やプライベートを少しでも充実して頂くことは、現場(のメンバー)に直結すると思っているからです。

 今年も従業員とともに、管理職にも継続して関わっていきます。そして、どの企業も健康経営を進めて頂けるように関わっていきます。今年もよろしくお願い申し上げます。

上手なお酒との付き合い方

 今年も残り少なくなってきました。コロナの状況も心配ですが、何かと集まったりお酒を飲む機会も多いシーズンになります。  日本人の男性の高血圧は、かなりの部分は多量飲酒と言われています。ちなみに、50代男性で、飲まない人の高血圧者の割合は、35%、1日日本酒なら1合が適量ですが、1合の方の高血圧者の割合は40%、2合では58%、3合以上では61%でした。

 飲酒は、高血圧以外にも、肝機能障害や眠りが浅くなったり顔がむくんだり、午前中の集中力の低下も起きやすくなります。お酒の席での失言で気まずい空気になってしまった等ということもありますよね。

 もし思い切ってこの機会に禁酒にチャレンジしようかなと思われている方は、禁酒の効果は1週間で表れてきます。まず、よく眠れるようになって、仮に睡眠時間が短くても熟睡しやすいので目覚めがよくなり、午前中の仕事のはかどりが違ってきます!その他、喉が渇く前にお茶や水を積極的にとる、食事の時にはお茶か水を必ず用意しておく、お酒はその日に飲む分だけを買う、お酒の買い置きはない等も成功のポイントになります。

 節酒ならばできそうかなという方には、食事の前に炭酸水や冷たい水を飲むこと、今より小さいサイズを購入する、休肝日の曜日を決めて趣味や運動の時間にあてる、飲み会では水やウーロン茶等を横に置いてアルコールと交互に飲む等もおすすめです。

 是非お好きなお酒は長く美味しく飲めるように上手に工夫をしてみて下さい。

睡眠の最新研究

 先日の面談でいつもは疲れた表情でネガティブワードが多い方が、笑顔で元気な様子に「何かあったの?」と聞くと、「最近残業が少なくなり、帰ってからの時間が充実して、寝る時間も取れてるんです!」と話されていました。  睡眠が取れるようになるとほとんどの方が体調がよくなります。

 睡眠と心身の健康との関係は前から言われていますが、企業のパフォーマンスにも影響することが上場企業を対象にした調査で明らかなようです。睡眠時間や質がよいほど、企業の利益率が高まるそうで、残業時間の調整や適切な人材マネジメントを行っていると睡眠時間が長くなり、睡眠の質にも差ができて働き方に影響があるとありました。また、職場でできることとして例えば、自販機の内容を工夫したり、照明等の環境を整えること等も挙げられていました。

 面談している中で、睡眠の質については、本人もあまり気にしてない方が多い気がします。寝酒やカフェインを飲んでいたり、遅い夕食だったり、遅番の後の自宅での過ごし方等、生活習慣に改善が必要なケースもあります。

 よい睡眠を取るための工夫には、個人が正しい情報を知って、まずは自分の状況を把握して、できることから改善していくための支援も必要です。昼間の眠気や休日の睡眠状況はどうか?等からも自分の適切な睡眠の量の目安もわかります。寝つきが悪くて横になっているのも辛い場合は、我慢せず思い切って起きてしまうことをお伝えすることもあります。軽くストレッチをしたり、深呼吸を何回かするだけでもいいです。色々考えてしまって寝付けない人は、それを無理に打ち消そうとせず、「それくらい自分は気になっているんだね。」と自分を受け入れてみることもおすすめしています。

 ご自身の睡眠とともに、職場でできる睡眠対策も見直してみましょう。

目のケアを忘れずに!

 健康診断で必ず視力は測定しますが、あまり結果を気にされる方は少ないのではないでしょうか。脳は頭蓋骨に、心臓は肋骨で守られていますが、目は唯一むき出しになっている臓器になりますから、外からの外傷や障害を受けやすくなります。

 また、情報の9割は目から入りますが、一番早く老化が進みますし、寿命は60年~70年が限界で、メンテが必要とも言われています。本当は脳や心臓と同じくらい気を付けてケアをしてあげなければいけないですね。

 失明の原因は、緑内障が4分の1で糖尿病での失明を含めると半分くらいになるそうです。緑内障は、白内障を放置するとなることもあると言われますが、白内障はお年寄りの病気と思いがちですが、最近は40代の方や20代~30代の若年性白内障もいます。明るいものがまぶしいと思ったり、物がいくつもダブって見える等、見えにくいと思ったら早めに眼科を受診しましょう。

 今は、スマホ等による目の負担も大きくなってきていますので、スマホを使う時間や姿勢には気をつけましょう。また、1時間たったら、遠くをぼーっと見たり、温かいタオルやこすり合わせた手を目にあてて、目の緊張や疲れをほぐしてあげましょう。仕事の合間や隙間時間に目や手、足のツボを押してあげるのもいいと思います。メガネも定期的に症状が進んでいないか視力検査も大切ですね。食事では、目にいい食材である緑黄色野菜(ブロッコリーやほうれん草、パプリカやトウモロコシ(缶詰でもよい)、鮭や桜エビ、ぶりやサバの水煮缶等も目だけでなく、抗酸化作用や血管を若々しく保ってもくれますのでたくさん取りましょう。

 忘れがちですが、日頃から目のケアもしっかりおこなってあげましょう。

歩く工夫

 9月に入り、秋を感じるようになってきました。コロナ禍から体重アップを感じている方、出不精になっている方、これからの季節、是非体を動かすのも一つです。

 肥満や生活習慣病改善には、「運動」というのは、厚労省も昔から言っています。 運動には、有酸素運動(ウォーキング等)、伸展運動(ストレッチ等)、無酸素運動(筋トレ等)があります。できればこれらがバランスよくできればいいと思います。

 加齢とともに落ちてくる筋肉として、太腿、お尻、お腹、背中と言われています。体を起こしたり支えたりする大切な筋肉です。80歳代の太腿の筋肉量の平均値は、30歳代の平均値の半分程度と言われます。筋力は筋肉量に比例するので、この報告から30歳代のときに片足で立ちあがる筋力がなければ80歳代になったときに自力で立ち上がることが困難になる可能性が高いとも言われます。

 忙しい、運動は面倒という方も普段の日常生活の中で身体活動量をアップしてみましょう。運動の強さを表す単位をメッツといいます。座って安静にしている状態を1メッツ、普通歩きが3メッツです。通勤でのんびり歩いているのを早足にするだけで、6メッツへ、エレベータやエスカレーターを階段にするだけで、上りは6~8メッツ、下りは4メッツになります。通勤の歩き方を少し変えるだけで、エネルギー消費量も上がります。

 メッツをアップするための歩き方として、①下を向かず、20m位先を見ながら歩く。②歩幅を普段より5㎝位先にかかとを付けて歩く、かかとを付けて、つま先で蹴って歩く。③腕をテンポよく振る。④普段よりも速く、でもきつくないレベルで歩くになります。

  筋力アップや生活習慣病予防のためにも、キビキビと活発に歩いたり、活動してみましょう。

これからもコロナ対策

 新幹線に乗れば今までは静かな車内だったのが、仕事帰りにビールとおつまみで同僚達と会話しながら過ごしている風景も見られます。ソーシャルディスタンスもいつの間にか距離が縮まっているように思います。また、病院への電話も発熱外来への問い合わせで何時間もつながらないことも起こっています。

 

 感染者数の増加が連日報道されていますが、政府からの行動制限が出ていない中、感染対策への慣れや気の緩みが起こってきていませんか。
 感染者や濃厚接触者が増えれば企業としても影響は避けられません。対策としては会食の自粛を従業員へ求める、屋内でのマスク着用を徹底する、症状があったら出社させない、換気を徹底する、対面のミーティングをなるべく控える、状況に応じて在宅勤務の実施を検討する、3回目のワクチン接種を推奨する等が挙げられています。換気に関しては、熱中症予防もありますが、以前ほどは徹底されていない印象もあります。さらに暑くてマスクを外したままするのを忘れている方もいます。当たり前のことばかりですが、改めて確認してみて下さい。一人一人がしっかりと認識して徹底していくことが必要です。
 オミクロン株の濃厚接触者の待機期間は7日から5日と短縮されました。2日目と3日目に抗原検査で陰性が確認できた場合は、3日目からの待機期間の解除も可能です。ただし、全体の17%ほどが曝露から6日目以降に発症しているので、待期期間が解除されたとしても感染リスクが残ることにも注意が必要となります。企業としては、感染対策の徹底とともに、情報を適宜従業員へ周知していくことも必要です。
 気を引き締めて、これからもしっかりコロナ感染対策をおこなっていきましょう。

すいか

 今年は梅雨も短く、毎日暑い日が続いています。夏と言えば、すいかを食べたくなりますが、皆様はいかがでしょうか?すいかは、野菜なのか?果物なのか?

 農林水産省によると、苗を植えて1年で収穫する草本植物は「野菜」として取り扱っています。一方で、目安として2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」と定義しています。

 すいかは、野菜の中では最も光の必要な野菜と言われていて、収穫前に雨が少なくて、高温で日照りが強いほど美味しく実ります。成分の90%は水分ですが、ビタミンやミネラルも含まれています。体を冷やす作用や体のむくみをとったり、暑い夏には最適な食材でもあります。赤い部分のリコピンは、活性酸素を抑制したり、果糖やブドウ糖は、疲労を回復してくれます。果肉以外にも皮や種にも栄養が含まれています。

 美味しいすいかの選び方は、軽くたたいた時に「ポンポン」と良い音がして、縞模様がはっきりしているもの、触ると多少ざらざらしているものがいいそうです。カットされているものは、切り口がなめらかで種が周囲に広がっているものを選びましょう。

 農林水産省でおすすめの食べ方で、カットしたすいかにレモンとお塩をかけて食べると美味しいとあり早速やってみましたら、さわやかな感じでおすすめでした。

 7月が最盛期のすいかを食べて、暑い夏を乗り切りましょう。