すいか

 今年は梅雨も短く、毎日暑い日が続いています。夏と言えば、すいかを食べたくなりますが、皆様はいかがでしょうか?すいかは、野菜なのか?果物なのか?

 農林水産省によると、苗を植えて1年で収穫する草本植物は「野菜」として取り扱っています。一方で、目安として2年以上栽培する草本植物及び木本植物で、果実を食用とするものを「果樹」と定義しています。

 すいかは、野菜の中では最も光の必要な野菜と言われていて、収穫前に雨が少なくて、高温で日照りが強いほど美味しく実ります。成分の90%は水分ですが、ビタミンやミネラルも含まれています。体を冷やす作用や体のむくみをとったり、暑い夏には最適な食材でもあります。赤い部分のリコピンは、活性酸素を抑制したり、果糖やブドウ糖は、疲労を回復してくれます。果肉以外にも皮や種にも栄養が含まれています。

 美味しいすいかの選び方は、軽くたたいた時に「ポンポン」と良い音がして、縞模様がはっきりしているもの、触ると多少ざらざらしているものがいいそうです。カットされているものは、切り口がなめらかで種が周囲に広がっているものを選びましょう。

 農林水産省でおすすめの食べ方で、カットしたすいかにレモンとお塩をかけて食べると美味しいとあり早速やってみましたら、さわやかな感じでおすすめでした。

 7月が最盛期のすいかを食べて、暑い夏を乗り切りましょう。

熱中症には休憩がポイント!

職場における熱中症では、毎年約20人が亡くなり、約600人が4日以上仕事を休んでいます。厚労省の5月からのキャンペーンに合わせ、職場や衛生委員会などでも必ずテーマに挙がっています。毎年熱中症対応等の情報は入ってはいると思います。

職場ではWBGT指数計を置いてしっかり状況を把握して、休憩場所や服装、作業時間短縮、暑熱順化、水分や塩分の摂取、持病のある方への措置、従業員自身の健康管理、作業中の従業員の健康状態の確認等は重要です。さらに、昨年からチェック項目にも入っていますが、「プレクーリング」のよる体温を下げる工夫も重要です。

「プレクーリング」は、体を冷やすのですが、これにより深部体温の状況が過度にならないようにつながります。作業に出る前に事前に体を冷やしておくものです。体温は比較的ゆっくり反応を示しますので、休憩時間(10分程度)に行った体を冷やすことで、その後1時間ほどその効果が発揮されることもあると言うのです。日陰やエアコンのきいた部屋で休むことは勿論ですが、一番よい冷やす方法は水風呂に入ることですが、現実的ではないので、現場では扇風機にあたる、手足を水につける、保冷剤等を首まわりにあてる、冷たい飲料を飲む等の方法があります。現場では、始業前、午前の休憩、お昼休み、午後の休憩と少なくとも4回はできる機会があります。

熱中症は「きちんと対策」を行って、「適切な処置」を行えば、発症したとしても、軽傷ですますことができると言います。しっかり予防して暑い夏を安全に乗り切りましょう。

歯の健康

 健康経営等で「アブセンティーイズム」や「プレゼンティーイズム」等で働く方のパフォーマンスの状況を表す指標が言われています。皆様も聞かれたことはあるかと思います。その中で、「プレゼンティーイズム」が注目されています。

 今回、歯科疾患との関係を調べたものがあり、歯周病のある人はない人より過去1年間のプレゼンティーイズムの発生が有意に多いことがわかったそうです。また、歯周病のある人はない人と比較して「プレゼンティーイズム」の発生リスクが約2倍高い結果となったそうです。歯周病は自覚症状が少なく治療に結びつきにくいこと、進行すると歯がぐらぐらして食いしばって力を出せないことや歯肉からの出血等で口臭が発生して周りを不快にしてしまう可能性もあります。これらが労働者のパフォーマンスへ影響して、結果生産性低下へ関係してくるようです。

 歯周病は、30歳以上の成人の約80%がかかっていると言われています。細菌の感染によっておこり、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。

 現在では歯周病は、予防でき治療も可能です。セルフケアとしては、定期的な歯垢(歯に付着した細菌の塊)の除去と、日々の歯磨き、歯間清掃用具の使用、禁煙があります。

 歯磨きは皆さんされますが、意外に磨けていない人が多いようです。毛先に力を入れすぎず、軽く細かく動かして、1か所に10回~20回位丁寧に時間をかけて磨くようにしましょう。忙しい方は1日1回、寝る前でいいので、5分程度ゆっくり丁寧に磨くと効果的です。日々のメンテナンスを心がけましょう。

腰痛

 腰痛は、生涯有訴率は8割以上、業務上疾病の占める割合でも最も多く、全体の約6割を占めていてとても身近な症状です。ぎっくり腰のように突然起きるものや、徐々に症状が現れてきっかけが特に見当たらないこともあります。再発を繰り返しやすいこともわかっています。 腰痛には、物理的な身体への負担により起こるもの(持ち上げや前かがみ等の不自然な姿勢等)と、心理的なストレス(周囲のサポート不足、人間関係のストレス、痛みへの強い不安等)から起こるものがあります。

 物理的な負担に対しては、日頃から自分でも腰に負担がかからない姿勢等を心掛けることは大切です。

 心理的なストレスは、快感や痛みを抑えるのに重要な役割を果たしているドーパミンやセロトニンの分泌を低下させてしまいます。脳の機能に不具合が起きて、ストレス反応として腰痛が現れてしまうこともあります。要因となっているもの(仕事や人間関係等)で対策が可能なものがあれば対応してみましょう。

 いずれにしても、軽い運動をしてみたり、ストレッチや体操等の手軽にできることをやってみましょう。ウェーキング等の全身の有酸素運動や筋トレは鎮痛作用も期待できます。ただ、じっとしていてもあるいは痛み止めを使っても痛かったり、原因不明の熱が出たり、寝ていても痛みで目が覚める等がある場合は、自己判断せず必ず医療機関を受診してください。

 腰痛があるなしに関わらず、大事な腰をしっかり日頃からケアしてあげましょう。

これからの介護への準備

 皆さんの周りに、介護をされている方、介護のために離職された方はいらっしゃいますか。労働者の約7割が将来の介護への不安や危機感を感じているとあります。年間約10万人が介護離職を余儀なくされています。ちなみに介護離職者で最も多い年代は50歳代、次いで40歳代との調査結果もあります。また、介護疲労に伴うプレゼンティーズムについての調査によると、介護による肉体疲労やストレスを感じている人はそうでない人と比較して、仕事中の居眠りやイライラ、気分の落ち込み、ヒヤリハットを経験している割合が高いとの結果もあるようです。

介護は他人事ではなく、すべての従業員が当事者となる可能性がありますし、起こってからでは対応が後手に回り、介護する側される側ともに辛い状況になってしまうことがあります。そうならないためにも日頃から職場でも話せる環境づくりは大切になってきます。そして、介護は経過も状況も個別性が高いものですので、アドバイス等する際は自分の経験を押し付けない配慮も必要になります。

「自分の親はまだまだ介護は関係ない!」、逆に「全部自分がやらなければ!」「仕事を辞めて介護に専念しなければ!」等の誤った誤解もあります。当事者になると余裕がなくなり難しいことですが、一人で抱え込まず周りに話したり相談することです。介護のプロは、「介護のためにどうしても仕事を辞めなければいけないケースは1件もない!」と言っています。厚労省からも「仕事と介護の両立支援ガイド」として、わかりやすく情報が提供されていますので是非活用してみましょう。

自分の大切な人生や生活を守りながら、できることを行っていければと思っています。

コロナと花粉症

2月に入り、花粉の飛散がスタートしました。飛散量は昨年より多い予想になっています。コロナと花粉症の症状は見分けがつきにくい所もあります。私も花粉症で目のかゆみを感じていますが、昨年より症状が出ている気がしています。皆様は大丈夫でしょうか。

花粉症の症状と言えば、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみです。花粉症の鼻水は、透明でサラサラですが、コロナや風邪等の感染症だと途中から粘り気が出て黄色っぽくなります。

症状では、コロナとの区別が難しい面もあると言われていますが、比較してみると違う部分があります。花粉症では、「発熱」「息切れ」「悪寒」はありませんが、コロナでは頻繁にあります。また、花粉症では、「くしゃみ」は頻繁ですが、コロナでは稀です。花粉症では、「鼻詰まり」「目のかゆみ」はありますが、コロナではありません。このあたりの症状の違いも押さえておくといいですね。それから花粉症の特徴でもありますが、晴天時に悪化したり、症状は長く続きます。

コロナ対策で皆さんも十分やっていることですが、マスクや眼鏡、うがい、手洗い、洗顔等は花粉症対策でもありますので引き続きしっかり行っていきましょう。それから風邪をひかないように気を付ける、お酒は飲み過ぎないこと、タバコは控える、バランスのよい食生活等は大切です。

花粉症の人もそうでない人もこれからの季節はさらに体と環境を整えていきましょう。

これからの健康管理

 副業、兼業という言葉は、働き方改革とともに耳にするようになってきました。厚労省も「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を出しています。ただ、実際には行っている人はまだそれほど多くはないように思っています。労働者にも企業側にもメリット、デメリットはあるのでそれらを十分理解した上で、行っていくことになります。

 個人的にはオンライン面談も当初は現場で取り入れるのは難しいと言われていましたが、今はかなり浸透してきていることや、在宅での仕事も環境や取り組みの改善が重ねられて、それほど抵抗がなくなってきています。それらを考えると、副業・兼業もこれから進んでいくことが考えられます。
  ガイドラインでは、使用者は労働者に対して、健康保持のため自己管理を行うよう指示したり、心身の不調があれば都度相談を受けることを伝えたり、副業・兼業の状況も踏まえ必要に応じ法律を超える健康確保措置を実施する等が重要とうたっています。
 これからも変わらず求められてくることは、「自分の健康は自分で守る!」セルフケアが大切なのだと思います。労働者自身が本業と副業の労働時間とともに健康状態を管理できる便利なツールを利用しながら、視覚的に自分の状態をチェックすること、働く際のベースとなる日頃からの食事、休養(睡眠)、運動の3本柱はしっかり保つことです。さらに、心の面(考え方やコミュニケーション力、自分なりのキャリアの確立等)へのケアや軌道修正ができるスキルや実行力はこれからますます求められてくると思っています。まだどういう形がいいのかよくわからないですが、今年も企業ができる健康管理へのアプローチとともに、労働者自身が自分で健康管理を行うという意識をしっかり持ち実行してもらえるように関わっていきたいと思っています。

女性が活き活き働くために

職場で活躍している女性はたくさんいます。女性が活き活きと働き続けてもらうために、
これからますます取り組みは進むと思われますが、そのひとつとして、国は少子化対策として
不妊治療の保健適用の検討も始めています。

女性の健康は、女性ホルモンの影響が大きく、生涯の中で月経、妊娠、出産、更年期等、様々な変化があります。また、働く女性が増えている中、結婚や出産を選択されない方もいて、この状況は女性ホルモンの影響を受ける期間が増え、中には女性特有の病気につながってしまう方もいます。今後は女性特有の健康課題や女性を取り巻く職場環境の整備が重要となってきます。

日々の活動の中で若い女性の面談をしていると、女性の体についての知識があまりにも少ないことに驚くことがあります。さらに、婦人科受診のハードルがかなり高いようですし、忙しい毎日で受診の時間が取りにくかったり、費用的なことも医療につながらない要因の一つになっているようです。

その結果、悩みながらも何もせずそのまま様子をみている方も多く、日々のモチベーションも上がらないままだったり、必要以上に落ち込んでしまい、不安を抱えてながら業務をこなしているので、最終的にはパフォーマンスにまで影響している状況も見られます。 会社として受診しやすい環境や費用負担等の制度づくりとともに、正しい知識を学べる教育機会を提供していくことも必要です。研修を年代ごとにわけて行ってもいいかもしれません。あるいはテーマを変えながら、繰り返し情報提供を行ってもいいと思います。内容に応じて講義やe-ラーニング形式やグループワークを入れる等、提供の仕方も工夫してみるといいと思います。勿論、男性にも女性の健康についての正しい知識と関心を持っていただくことも必要です。

コロナ禍で太る背景

松島弘典は年内お休みします。

テレワークを導入する企業が増え、在宅時間が増えた人も多くなっています。通勤時間がなくなり、ある意味リラックスした環境の中で働けるメリットを感じている反面、生活習慣が乱れて運動不足を感じている人もいるようです。 一般社団法人生活習慣病予防協会によると、自宅から職場までの移動の身体活動を消費エネルギーに換算すると、約300kcal、これに職場内での移動や休憩、昼食時の移動を含めると消費エネルギーは、約400kcalを超えるとのことです。

それに対して身体活動が自宅だけの場合は、1日のエネルギー消費量は約50kcal、通勤していた時と比べると350kcalもの差があります。この差が1週間で体重にすると約1kgです。その他自宅では、甘い飲み物やお菓子、果物等の間食を食べる機会も増えがちで、わずか1カ月で約3kgの体重増加の可能性があるのです。

さらに厚労省の「国民健康栄養調査」によると、運動習慣改善の意思について、「関心はあるが改善するつもりはない」と回答した割合が最も高い結果でした。運動習慣の妨げとなる点は、男女とも「仕事(家事・育児等)が忙しくて時間がないこと」の回答割合が高く、続いて「面倒くさいこと」が続いています。これではコロナ渦でも太るのも納得です。

職場でも最近は立って会議をしたり、デスクワークの合間にその場に立ち上がってストレッチを行っている所もあります。その他ラジオ体操を入れたり、歩数をチームで競うイベントを開催して、職場のコミュニケーションの場として活気が出ている企業もあります。無理せず長くできる運動を工夫してみましょう。

脳・心臓疾患

20年ぶりに「脳・心臓疾患の労災認定基準の改正」がありました。    ①長期間の過重業務の評価にあたり、労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化した。②長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直した。③短期間の過重業務、異常な出来事の業務と発症との関連性が強いと判断できる場合を明確化した。④対象疾病に「重篤な心不全」を新たに追加したとなっています。

また、令和2年度「過労死等の労災補償状況」では、脳・心臓疾患の労災補償状況の請求件数、支給決定件数はともに前年度に比べて減っていましたが、年齢別にみると40代に入ると急激な人数増加があります。いかに若いうちから健診データの変化とともに、生活習慣改善の重要性を意識してよい生活習慣行動に移していくかが重要であるのを感じます。

50代に入り脳・心臓疾患を発症された方達の健診データをさかのぼりますと、30代後半あたりから肥満が始まり、コレステロールや肝機能の所見が出始め、高血圧や高血糖と徐々に進んでいる傾向がわかります。これは不規則な生活習慣をそのままにしておけば誰でも例外ではないことですが、なかなか気づきや意識を変え行動変容までは難しい方が多い現状もあります。

企業として職場環境を整えると同時に、従業員への意識改善への情報提供や働きかけも必要です。まずは、ご自身の健診データを経年的に見てみましょう。今の生活習慣は脳・心臓疾患の原因となっていませんか?