鎖骨式呼吸法

 心や体のバランスが乱れてしまうと、疲れが取れにくかったり、やる気や元気がなくなったり、それらが改善せず続くと病気につながってしまうこともあります。面談していてもこういう傾向の方が多いように感じています。

 脳の中にある自律神経がストレス等の刺激や出来事をキャッチしてコントロールしてくれています。

 ストレスに対して一生懸命戦ってくれる戦闘態勢モードを作る交感神経と、リラックスしたりエネルギー補給モードにしてくれる副交感神経があります。どちらも大切な神経ですが、交感神経にスイッチが入りっぱなしになるとバランスを崩しやすくなります。しっかり交感神経を働かせたら、しっかり副交感神経スイッチを入れてあげることが大切です。

 自律神経はある程度自分でコントロールができますが、交感神経の方は防衛反応もありストレスがかかるとすぐにスイッチが入ってしまいます。バランスを取るためにも副交感神経スイッチを適宜入れることが大切です。その方法として、呼吸法を使うことは効果的です。呼吸法には、胸式呼吸と腹式呼吸があり、名前の通り胸やお腹を使った呼吸ですが、腹式呼吸の方がより副交感神経を優位にすることができます。腹式呼吸は、お腹に手を当てて吸ってお腹を膨らませて、ゆっくり長く吐いてお腹をへこませるのを繰り返し行います。腹式呼吸だけでも十分効果はありますので、隙間時間にどんどんやってみて下さい。

 さらに、今回ご紹介したいのは鎖骨式呼吸です。胸式や腹式は肺の下の方しか膨らませていないのですが、この呼吸法は肺の上部を使って行うものになります。これによって、さらに肺に空気をたくさん入れることができ、エネルギーを作りだし体への栄養が十分に行き渡り、自律神経も整いやすく、自律神経失調症や不眠症や不安症、首の筋肉を緩め姿勢もよくなり、深いリラックスが得られます。

 鎖骨式呼吸のやり方は、人差し指と中指、薬指の三本指を鎖骨にあてて、鼻から5秒かけて吸い、1秒止めて、鼻から7秒かけて吐くのを繰り返します。正確な秒数でなくてもだいたいでいいですが、吐く方は長めにします。初めは5回位から行ってみます。鎖骨骨折や五十肩等がある方は注意して無理しないようにしてください。

 是非、日頃の腹式呼吸に少し鎖骨式呼吸も取り入れながら、自律神経を上手にコントロールしてあげましょう。