血管は、加齢とともに硬くなり、弾力性を失っていきます。血管の老化は、動脈硬化につながり、血圧が高くなる原因の一つにもなります。脳梗塞や心筋梗塞を防ぐためにも、いかにしなやかでやわらかい血管を保つか、血管力を高めていくかは大切です。 血管は、外膜・中膜・内膜の三層構造になっていて、外膜は血管を保護し、中膜は血管にかかる圧力を調整する役割があります。内膜は血液に直接触れる部分で、繊維からなる薄い層と内皮細胞でできています。この内皮細胞から血管をしなやかに弾力性を強める働きがあるといわれる一酸化窒素(NO)が作られます。
NOを効率的に増やすためには、「血流をよくすること」「血管内皮細胞を傷つけないこと」です。食事と運動とストレスケアがポイントになります。
食事では、タンパク質が豊富な食品(赤肉、魚、鶏肉、豆、大豆、ナッツ等)を取るこ
とです。また、NOを保護してくれるビタミンCやビタミンE(特にトマトやカボチャ等の色の濃い野菜)、ポリフェノールも意識して取るようにしましょう。塩分は内皮細胞を傷つけますので控えるようにしてください。
運動は特別なものでなく、出来るだけ歩いたり(胸を張り背筋を伸ばす、いつもより歩幅を広げてテンポよく)、階段を使ったりを意識してやってみましょう。時間がない方には、ふくらはぎの筋肉を動かす(つま先やかかとの上げ下げだけの運動)や、手のひらを合わせて力を入れて5秒くらい押し合うだけでもNOを増やすことができます。
それから健診だけでなく、自宅や職場に血圧計がありましたら、ぜひ日頃の血圧も測ってみて下さい。以前より10mmHgほど診断基準が厳しくなっています。