先日、ある企業の役員とお話しした際に、新卒も思うように採用できない中、今いる従業員に負担がかかり過ぎて、何とか人を増やすための策として、機械化したり外国人を採用することも考えていかないといけないと言われていました。これは今やどこの企業でも今後考えていかなければいけない課題です。私は、改めて「今いる従業員を大事にしていくこと」だと思っています。そういう意味では、高齢者、障害者の方へのサポートを厚くしていくことも一つだと思います。障害者雇用は、現場でも少しずつ対応を強化されてきているのを感じますが、高齢者の方は皆さんの企業ではどのような状況でしょうか。定年も65歳までが当たり前になってきていますが、若い人の中には、お年寄りが増えてもやってもらう仕事がない!等と失礼なことをいう人もいるようです。
確かに年齢が上がると体力や気力、筋力等の衰えてくる面があります。また流動性知能と言われる計算力、集中力の低下も多くなります。でも、50歳以降でも伸びる能力は色々あるのです。結晶性知能と言われる知識、知恵、応用力、理解力、経験知、人の気持ちを察する力は伸び、さらに、判断力のピークは60歳以降、語彙力は60歳から70歳が最も高いようです。
これからは企業としても高齢者の能力をどのようにいかしていくのかを考えていくことは必要だと思います。私自身が衰えていく集中力を鍛えるために実践していることですが、アメリカの企業等でも取り入れていますが、マインドフルネスを日常生活に入れるように心がけています。我々は仕事や日常生活の中でつい何かをしながらの「〇〇ながら」をしがちですが、やりすぎると脳が疲労してしまい、ミスや効率ダウンにつながることもあります。マインドフルネスは、「今あることに集中する」ようにします。これを積み重ねてやっていくことで、集中力はもちろん、ストレスが軽減されたり、免疫機能も向上すると言われていておすすめです。
「今いる従業員を大事にする」の一環として、高齢者の能力の活用がさらに進むことを願っています。