高齢者が車の運転をやめると、抑うつ症状になったり、身体能力が低下するリスクがある――米国のコロンビア大学などの研究チームがそんな調査結果を発表しました。一方で、運動をやめた高齢者では、家族や知人との間の社会的ネットワークが縮小し、療養施設や介護施設などに引きこもるリスクがあることも示されています。 |
多くの高齢者にとって車の運転は生活をコントロールする手段になっています。運転により行動範囲を広げることは、考えられている以上に重要です。このことは国に関係なく全ての人にあてはまると思います。一般論として、高齢者の運転は他人に迷惑をかけるリスクが高いので反対と言えますが、そうはいっても自分の親となると、ましてや毎日見てられない環境や同居していない場合は、親の気持ちや状況を考えると面と向かってやめてほしいと言えないケースもあります。
日本でも平成27年6月に道路交通法が改正され、認知症のおそれのある75歳以上のドライバーを対象に医師の診察が義務付けられました。記憶力や判断力が低下していると判定された高齢者は免許が取り消されることがあるのです。地方では特に鉄道やバスなど公共交通機関が少なく、車での移動は欠かせません。
高齢者が運転するリスクはありますが、運転せざるおえない現実もあります。そして運転には生活の手段としての意味合いだけではなく、例えば自分で好きなコンサートに行ったり、行きたい時に紅葉を見にいったり、あるいは運転できることで自分の体力や気力、加齢への不安を吹き飛ばす材料になっている面もあります。高齢者対策は、地域性や個別性もあるので難しいですが、ある年齢以上になったら、高齢者自身が今の所に住み続けるか、便利なところに移動して生活環境を変えるか等を考えてみることも大切かもしれません。もし、運転を取り上げざるおえない状況になったとしたら、社会から孤立しないための世間からの差し伸べる手が必要ではないでしょうか。そして、親子でこの問題について話しあったり共有する時間を持ち早めに住んでいる地域で活用できるサービス等の情報収集をやっておかれると安心ですね。 平均寿命が延びている中、今の価値観のままではこのような問題含めて難しい・・・。