2023年の面談を振り返って

 年々感じていますが、面談の中で入口は体調や仕事のことをご相談されるのが多いのですが、家族の介護と仕事の両立で心身ともに疲弊されている方が多くなっていると思っています。現場の管理職レベルで業務を調整したり、話しを聴いて頂いたり、企業として制度を活用しやすいように周知の工夫をされている所もあったり、以前よりは「介護」は話しやすくなってはきています。

 ただ、残念ながら介護と仕事の両立は、育児との両立とは違い、介護者の心身の負担は増え続け、介護期間の目途がない中でやって行くので、思っている以上に苦しい面も多いのが現状です。それぞれの家の事情もありますので難しい面もありますが、どの企業も従業員の年齢層があがってきていますので、介護はこれからもっと切実な問題となってくると思っています。

 介護が必要になった時にまず何をするのか、日々の事で精一杯になっている方にとって、いかに自分の体調を整えていくのか等、情報提供と話しを聴いてもらう場があることは何よりも重要だと思います。思っている以上に介護に関する基本的な情報を知らない方も多いので、企業として使える社内制度にはどんなものがあるのか、介護が必要になったらまずどこに相談すればいいのか、どういうサービスを使っていけばいいのか、会社とはどのように連携していけばいいのか等を研修等でお伝えしていくことも一つだと思います。また、現場としてもいつ自分がなるかわからないことなので、お互い様の気持ちを持って接したり、時々は少しの時間でもいいので話しを聴いたり、相談できる窓口等もあるといいと思っています。

 介護者は一生懸命自分の時間を使って介護していて、現状を俯瞰する時間も気力もない方が多いと思っています。まずは自分を大切にしてあげることが長い介護を支える大事なポイントになると思っています。家族の介護はしなければいけない、自分が頑張らなくてはいけないと思い込み過ぎて、疲弊している方が周りにいらっしゃったら、とにかく話しを聴いて頂き、様子を見ながら「あなたは本当によく頑張っているよ。自分も大切にしてあげてね」と声をかけてあげてください。