医師の意見 ストレスチェック(第6回)

医師の意見
医師って大事です。個人にとって、医師の病気に関しての意見は絶大なものがあります。
一方企業にとって医師ってどういうものでしょう。企業にアドバイスする医者として産業医がいますが、1000人以上働く場所での専任産業医はともかく、それ以外で掛け持ちをしている嘱託産業医など、企業にとってマインドシェアは下がっていきます。従業員も産業医を知らないケースも多いです。とは言え、法律では産業医の意見に重要な意味があります。
今回のストレスチェックでは、一応、高ストレス者と判定された従業員の内、申し出れば、医師との面接を企業がセットします。企業としては事情を知った産業医に面接させたいのですが、諸事情によりこれが難しいことがあります。要は、産業医がメンタルに詳しくなかったり、時間が取れなかったり、企業事情を改めて説明しなければならなかったりします。医師との面談を行った後、医師が意見を出し、それを企業は聞く必要があるわけです。意見には、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少が挙げられると思います。とは言え、限られた情報・時間の中で上記のような意見を出せるかといえば、難しい状況です。

訴訟リスク
最近産業医自体が企業とともに、従業員側から訴えられるケースがあります。問題は果たして、ストレスチェック面談をした医師又は会社に、訴訟が起こされるのかということです。単純に考えると、今回のストレスチェック制度の目的は企業に所属する多数の者を対象にしてストレスの状態を確認するために実施されるものであり、職場の環境改善に役立てることを目的にしたものです。したがって、機械的に高ストレス者と判定され医師との面談を申し出たものに対して、個別の異常の有無を識別することにはおのずと限界があるというべき、という方向ではないかというのが、あくまで私の意見です。
とは言え、訴訟リスクがあるということは否定できないですね。上記のケースも、面談を申し出た人はそれだけ注意が必要だから特別にケアすべきで、その分医師の責任が問われると考えストレスチェック面談に及び腰の医師が出たとしても、理解は出来ます。
ただし、これを機会に産業保健に関与していない例えばEAPを中心としたところは積極的に参入使用とするでしょう。その分コストがお高くなりますが・・・・。