一人何役?

中小企業の人事労務担当者は多忙です。それこそ一人何役もしなければなりません。それこそ人事だけと思いきや、総務、給与、経理、法務をするという事もになったりします。多くの従業員がいて、間接部門の事をそれぞれの立場で考えられる大企業とちがい、マルチな活躍を求められます。それでいて予算規模は良くって人数分です。時間を効率化したいと思っていても、なかなか難しいところがあります。外部を利用したとしても固定費負担が重くのしかかってきます。予算は守りたいので外部に振れず自分でせざるを得ないのです。

中小企業はともすれば、浅く広く担当するわけですね。それでいて優先順位を考えないといけません。大事だとは思っていても営業とは関係ないことは後回しになりがちです。産業保健のことはともすれば、発生したときにそれに対してどうするかということで、予防策なんかともすれば考える余裕が在りません。しかし、統計によると、中小企業の離職率、それに一旦休業すると結局退職してしまう比率は大企業に比べ大きいのです。それでいて採用コストは高く、その分大企業よりコスト高になっていと考えられます。しかし本来、人間には差がないはず。差が出るとしたらシステムの問題です。私は差の原因のひとつが大企業にある医療職活用法にあるのではと考えています。人数や、仕事の関係から医療職等を常駐させるのは難しいので必要な日数だけ産業保健業務をシステムとして提供できたらと考えています。

とはいえ、担当者の守備範囲が広いので、悩みは必然的に、採用、評価、雇用管理、人材育成といった人事関連の問題もあれば、施設、福利厚生、リスクマネージメントという総務的なものなど幅広くありえます。1つの事を深く取り扱うことは時間的にも難しいといえます。外に振るにしても費用対効果ってことが理想ですけど、この辺りは数字が曖昧なので、結局は昔ながらのアドバイスをする人の声の大きさで決まるのですかね。